ファーストクラスの進化
〜個室空間の是否〜
新幹線のグリーン車は乗れたとしても、一般的にはあまりに
料金が高くて乗れないのが国際線のファーストクラス。
せっせと貯めたマイレッジでファーストへのアップグレードを計るか、
経費で乗れるよう出世するか、自腹を切るか!?
いずれにせよCAfun管理人のような一般人にとっては
いまだに憧れの的であるのがファーストクラスである。
男なら死ぬ前に一度は乗ってみたい国際線のファーストクラス。
空席の多いFクラスに乗ればまさにCAハーレム状態。
会話さえ弾めばメールアドレスでも電話番号でも聞き放題である。
そのファーストクラスの有様が少しずつ変化してきているようなので
本章では近年のFクラスについて分析をしたい。
各社ともサービスや豪華さを競い続けて数十年、
ボーイング747を最初に導入したパンアメリカン航空はアッパーデッキに
客席を設定せず、ファーストクラスの乗客のためにラウンジを設けた。
"豪華な空の旅"を演出するためである。
ラウンジは社交場の意味も含まれていた。Fクラスの乗客はそれなりの人達ばかり。
見知らぬ乗客同士が挨拶から世間話へ、そして思わぬビジネスの
共通点が見つかり仕事の話へと発展することも少なくなかった。
そのために船や鉄道、飛行機の最上位の乗客向けのラウンジは
当時の上流階級のニーズでもあった。
もちろんスチュワーデスとの会話を楽しむのもラウンジの
楽しみのひとつだったそうである。
"社交場"としてのファーストクラスとはまったく逆にプライベート空間を
機内に設けたのは日本航空が世界初である。
ファーストクラスの歴史に名を残したのは「JALスカイスリーパー」
B747のアッパーデッキにFクラスの乗客が使用できる個室寝台を設定した。
今でこそエアバスA380の就航でシンガポール航空スイートクラスなる、
個室が登場するに至ったが、
個室+ベッドが今から30年前にすでに提供されていたのは驚きでもある。
大量輸送の時代に入りスカイスリーパーは消滅したが
今また"空の豪華な旅"、"個室空間"を重視する方向へとFクラスは
向かい始めているようである。
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2008.8.18