2019年5月にCAにまつわるこんな事件があった。

羽田空港に着陸後、乗客の降機時、

男がトイレに入りつつ「腹が痛い」とCAに訴える。

水と薬を持ってきたCA、

男はトイレからギャレーへ移動し、

「彼氏いるの？不倫に興味ない？」と言い、

突然、胸や尻、下半身を触り出した。

立ち去る時にCAの胸ポケットに

電話番号を書いたメモを入れたという。

電話番号で特定は容易、検挙され、

ニュースで顔も出るという結末。

以下のような供述をしているという。

「荷物を棚にあげる姿が好きだった」

「好みのタイプの女性だった」

「一目惚れした」

「自分の欲情を抑えられなかった」

「去年も他社の客室乗務員の尻を触って、

誓約書を出した」

と過去にも同様の行為をしていたことを

認めているというニュースだった。

機内でCAの尻を触るなどというのは

昔から多くあったと思われる。

しかし今まで見過ごされていたものが、

航空会社も厳しい対応をとるべき、また、

とらざるを得ない社会環境になっている。

1970年代の日本航空 スカイスリーパーでは、

セクハラが続発し、スカイスリーパーが廃止に追い込まれた。

古き良き時代の昔話ではあるが、

社会情勢も人々の考えも時代とともに変化している。

むかしは許されたセクハラやお触りも、

今の時代は許されない。

今回は現代のCAファンの視点から意見を述べたい。

好みのタイプ、一目惚れもあるかもしれないが、

自分の欲情を抑えられずに胸や下半身を触る、

などというのは論外であろう。

CAが荷物を棚にあげる姿が好きだった、

というのはCA好きであることには違いない。

細かな動きを観察するのは興味があればこそ。

最後に連絡先を渡すという行為も、

CAと知り合いになりたいということだろう。

CAは恐怖で固まっていたか、

その場をやり過ごそうと我慢したか。

強制わいせつ行為は2分に及んだ、

との記事もあることから、

CAがわいせつ行為を受け入れていると

思い込んだのだろう。

例えば、

CAと知り合うことをゴールとした競技があるとする。

そのマラソンのスタート地点が

東京・国立競技場だとしたら、

その選手だけ、東京の八丈島から

わざわざ小舟に乗ってスタート。

まず船に乗って江戸に向かおうとも

途中の黒潮の流れが速く、確実に遭難する。

それほど島抜けは難しいと言われた、

島流しの流刑地、八丈島だ。

勝利の望みはゼロどころではない。

自ら地獄に飛び込んだも同然である。

世の中には様々なジャンルの娯楽に

様々なファン、マニアが付いている。

乗り物で有名なのは鉄道ファンだろう。

乗り鉄、撮り鉄など、ファン層は分厚い。

マナーを守る人、守らない人、犯罪行為に及ぶ人、

ファン人口が多くなると、品位も様々。

航空ファンは総じて、

マナーは良いほうではないだろうか。

良いマナーといえば、宝塚歌劇団のファン。

コンサートが終わり、出演者の姿を

ひと目見ようと待っていることを

出待ちという。

出待ちではきちんと整列し、

歩行者のジャマにならないようにする。

その他にも暗黙のルールが多数存在しており、

宝塚の生徒と同様にそのファンも

「清く、正しく、美しく」ということらしい。

映画スター、歌手、スポーツ選手、アイドル、

どのジャンルであっても、そのファン心理は

CAファンのそれとまったく変わらない。

見たい、会いたい、写真を撮りたい、

話をしてみたい、できることなら知り合いたい、

一緒に食事に行きたい、友達になりたい、

結婚したい、ヤリたい・・・。

常識的なファン心理としては、

強制わいせつという選択肢は無い。

もし今回の事件のような現場に遭遇したら、

CAファンなら誰もがCAを助けに走るだろう。

「お嬢さん、お怪我はありませんか?」

「あ、ありがとうございます」

「災難でしたね。厄払いに成田山に行って、

　その後、国産の高級うな重でもご一緒にいかがですか?

　それでは連絡先を・・」

そんな展開を期待してのことだが、

理由はどうあれ、CAを愛する気持ちは

誰よりも強いのがCAマニアである。

宝塚、ジャニーズ、AKB48・・・何であっても

このあたりのファン心理は同じであろう。

いたたまれないのは

何かの事件があると、そのファン全員が

同じではないかと誤解されることだ。

また、もしも機内でほんとうに腹が痛くなり、

CAに「お腹が痛いので薬を・・」と言った瞬間に、

後方ギャレーに連れて行かれ、

CA全員に囲まれて、チーフパーサーの

やっておしまい！ のかけ声とともに、

JALが独自に開発した、

チビッコCA専用・上の棚が閉まってるか確認棒で

ボコボコにされるという恐怖。

真のCAファンは、

清く正しく美しい下心を持った、

お行儀のよい紳士ばかりなので

どうか優しくしてほしい。

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2019.8.10 CAfun(c)