CAと知り合うには
〜失敗は成功のもと その5〜
この日は季節外れの大雪でダイヤが大幅に乱れていた。
CAfun管理人の乗ったJAL747はスポットを離れたはいいものの、
滑走路手前で離陸許可が出ないようで待機状態。
出発地は晴れているのだが雪で各地の空港が次々とクローズになっているらしい。
スポットに引き返せばいいのにと思うのだが飛行機が行列をなしているので
どうやら戻るにも戻れない状況。10分が過ぎ、20分が過ぎ、30分が過ぎ・・・
機内に缶詰となった。めったに当たらない不運な状況である。
CAfun管理人の乗ったこの便はほとんどガラガラ。当然そんな便を選んで乗っている。
この日のフライトは特に空いていた。747最後部の区画は3人が座っているだけ。
さすがに最後部に着席すると不自然なので最後部のひとつ前に着席していたのだが
それでも周囲にはまったく他の乗客はいない。不運が幸運へと変わりつつある気配・・・
こんな時は大チャンス。そのために最後部の孤立した空間にわざわざ座っている訳で。
早速、タイミングを計ってCAに話しかけようと思っていると、なんとCAのほうから話しかけてきた。
「お仕事で○○に行かれるんですか?」
こんなことも稀にあったりするものだ。世間話をしつつ、いくつか質問をしてみると、
彼女は入社1年目。つい数ヶ月前から飛び始めたばかりで既卒入社の27才。
以前はOLだったとのこと。
話は弾んだ。たぷん30分以上は話をしたと思う。
このCA、あまり美人ではなかったのだが愛想は良かった。
名前は仮に「山田CA」としてみる。
好みのタイプではなかったので連絡先を聞く気にならなかった。
過去の失敗からチャンスがあればCAの友人は多く作っておくべきと考えてはいたが、
まだ100%実践できていなかった頃の話である。
贅沢な話であるが、当時はまだCAの選り好みをしていたのである。
それでも幸運が転がり込んできたというのは便や席を選んだおかげでもある。
飛行機はやっと離陸、フライト中もCAと話す時間は十分にあって各地の美味しい店や
観光地の話などを続けたがさすがに話題も尽きる。
ここで山田CAは引き上げるかと思いきや、私に何かを言いたそうにしてまだ通路に立っている。
どうしたんだこのCA!?と思っていると、
「あのー、お名刺を頂けますか?」と聞いてきた。こんな経験は初めてだった。
CAfun管理人はタダのオヤジ。カッコよくもなく、CAから積極的にお誘いを受けるような容姿でもない。
強烈に面白い話をした訳でもなく、興味を引くような話をした訳でもない。
にもかかわらず、名刺くださいとはどういうことか!?
名刺を渡し、またもや世間話が再開。今度は私の仕事の話や出張の話となった。
山田CAは簡単に連絡先を教えてくれた。
名刺をくれと言われたのはこれが最初で最後の経験だった。
目的地へは2時間遅れで到着、思い出に残るフライトであった。
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2010.4.22