スチュワーデスの寮生活2

〜寮生活の実際〜






ド田舎に立つ白亜の城。新築当時の日本航空 加良部東寮。



スチュワーデスの寮生活、前編をアップしたのが4月、そして後編は7月。

続編を楽しみにしていた方々におかれては、このスローな更新ぶりには呆れていると思う

なんせ本業(サラリーマン)が忙しかった。許してください・・・

さて、古き良き時代の寮生活はどうだったのか、

スチュワーデスへのインタビューを元に後編をスタート。



ケース2

ANAキャビンアテンダント 118期(仮定)

加納利香(仮名)北海道出身・26才




「ぐぉー、つかれた」

風呂上がりで髪にタオルを巻いた利香さん。

冷蔵庫を開け、中を物色する

「ありゃ、また名前の書いてないジュースがあるよ、こまったねぇ」

つぶやくと同時にジュースの缶を開けて一気飲みだ



利香さんは寮生活4年目、そろそろひとり暮らしをしようと思い、

オフの日には不動産屋を回っている

一人暮らしに憧れているのは勿論であるが

寮にもホトホト疲れてきたというのが本音だ

寮の生活はワンパターンというか刺激がない

利香さんの寮暮らしも判で押したようにワンパターンである



フライトを終え、オペセンからタクシーで寮に直行

タクシーの中では爆睡である。寮に到着、玄関に向かう

今日もクタクタで時差ボケ状態の利香さん

ショルダーバッグを肩にかかえ玄関へ。すると背後から後輩の声、

「加納さん!スーツケース忘れてますよ」

先日もボーッとしていてトランクに入っている荷物を忘れ、

手ブラで玄関に向かいそうになって運転手さんに

「スーツケース!スーツケース!」と呼び止められたばかりだ

航空性健忘症である






フライトが終わりタクシーで寮に帰る図



下駄箱に靴を入れ、郵便受けをチェック。

寮に帰っての最初の楽しみは友人から手紙が来ていないかどうかを

チェックすることである

このあいだの合コンで知り合った商社の人からの手紙、

同期からの手紙の2通があった

何せ携帯電話もパソコンも無い時代である。手紙と電話が唯一の連絡手段、

というよりも"大きな心の支え"と言っても過言ではない

手紙を開けるのを楽しみにしながら階段を上がり3階へ。





階段を上がりながら今日の夕食はどうしようかと迷う

駅前の居酒屋は美味しいものがないし、何度も行って飽きてしまった

東京にはコンビニが増えてきているようだが、寮の近くにも駅前にも

コンビニはない。近所にスーパーはあるが7時で閉まってしまう

本当にド田舎である

あとは寮の食事しか選択肢がない。まずくはないが寮の食事にも飽きた



食事はいいとしても寮の立地条件には耐えられなくなってきた利香さん、

たまに同期と銀座あたりに買い物と食事に行くことがあるが

帰りが遅くなりそうだと面倒なので東京でホテルに泊まることもあった

タクシーで寮まで帰るには料金が高すぎるし終電で帰るのも面倒である



合コンの時も大変だ

相手の男性にもよるが成田で合コンというのはほとんど無い

だいたいが銀座や六本木、渋谷や新宿あたり・・・

ノリがいい合コンで次の店へとなった時、門限までに帰るためには

夜10時半には電車に乗らないと間に合わない

早く帰ってばかりでは彼氏も出来ない・・・

かと言って初対面の合コンでいきなり泊まりというのは軽いと思われるので

「寮なので」と言って10時半には帰ることにしているが

たまには夜の12時とか1時まで飲んでみたい時もある・・・




JAL加良部東寮、昭和58年5月 ある日の夕食



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2007.7.16