スチュワーデス研究



全日空 制服特集

〜1982年 芦田淳制服〜






ANA7代目制服



本特集はJALと同様に初代からの制服紹介は割愛させて頂き、

皆様方がおそらく興味のある7代目制服あたりから紹介させて頂こうと思う



現在のANAの制服は9代目である

過去9種の制服のうち、3種は芦田淳(1930年生・京都出身)のデザインであり

ANA=アシダジュンというイメージは強い



芦田淳氏以外のデザインではトライスター就航時の

パンタロン制服は斬新であったが、

その他は平凡というか、かなり地味な制服ばかりが続き、

JALの華やかさと比較するとワンランク落ちた感じのANAであった




ANA6代目制服。三宅一生デザイン、1979-1982



1982年、芦田淳氏が5代目制服に続き二度目のデザインを担当する7代目制服が誕生

アイテム数も増え、華やかなスチュワーデスらしい制服となったのは

この7代目からであろう

夏服、冬服で色合いが若干異なる制服は紺色をベースに

明るめのブルーのブラウスをあわせたもの

ジャケットの腕部分には当時の全日空のロゴマークだったレオナルドダヴィンチの

ヘリコプターのデザイン画のワッペンが付いている

メーカーはJALのように複数社ではなく、すべて「高島屋」製である



この制服で特徴的なのは

ブラウスの裾をスカートの外に出す「オーバーブラウス スタイル」

冬服ではブラウスをスカートの中に入れるのでベルトがアクセントとなる

夏服ブラウスと冬服ブラウスには見た目の違いもあり、

夏のブラウスは肩に紺の線が入っている



真夏の暑い時期などはオーバーブラウスのスタイルのまま ジャケット無しで

乗務するCAが多く見られた

このオーバーブラウス、棚にモノを上げる時など、CAが背伸びをすると

ウエストやおなかがチラッと見えたりすることもあって

なかなかセクシーでカッコいい制服であった



スカーフは2色、

四角いものではなく結びやすいように首の部分が細くなっている形

スカーフのつけ外しが容易に出来る反面、結び方が制約されてしまうのが難点で

スカーフの結び方のバリエーションは5-6種類のみだった

お洒落をしたい年頃の女の子たちにとっては

少々物足りないスカーフだったかもしれない






夏服ブラウスは肩に紺のライン入り。画像をクリック



制帽は冬服用に濃い紺色のフェルトの帽子、

夏服用には明るいブルーの麦わら帽子のようなメッシュ素材の帽子が用意された

JALの制帽には夏冬の区別はない

帽子に夏冬の区別をつけ、見た目を変えたANAの制帽は傑作である

ちなみに帽子のデザインは芦田淳ではなく、

別のデザイナー、平田暁夫(1925年生・長野県出身)が担当した

平田暁夫氏は日本で最も著名な帽子デザイナーである




画像をクリック



靴は高島屋製。ヒールの高さは4センチのみで

JALのようにローヒールとハイヒールで機内サービス用、お出迎え用というように

分けてはいなかった

ANAの高島屋パンプスの見た目の特徴、

色は他社と同じく紺色なのだがヒール部分が木目で茶色になっていることである



パンストについてはパンスト分析のページをご覧頂きたい

エプロンはデザインが違うものが2種類用意されていた




高島屋の制靴。画像をクリックするとエプロン



1988年、ANAが国際線に進出したのを機会にチーフパーサー用の制服が登場

赤の帽子、赤のジャケット、グレーのブラウス、紺と赤のスカーフが用意され、

これらは国際線のみ着用していた

といっても当時のANAの国際線は数える程度の便数、

グアム、香港、ロサンゼルス、ワシントン・・・

なかなか見る機会のない貴重な制服であった

JALのチーフパーサー用だったイナバベージュと比較すると

赤ジャケット+紺スカートで日本のスチュワーデスの

イメージカラーだった「赤+紺」の色使い。

古き良き時代のスチュワーデスの制服、という印象でもある










次回はANA8代目、ストライプ制服を紹介。





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2007.1.25