制服管理とオークション

〜経緯と相場〜 (2005年の同項目を加筆修正)






ANA10代目現行制服



メルカリ、ラクマ、ヤフオク・・・

ネットオークションには

CAの制服が出品されているが、

昔と比較するとその数は10分の1程度か。



当時のYahooオークションでは

ありとあらゆるCAの制服が出品されていた。

その時々の現行制服はもちろんのこと、

グランドホステスや各世代のアイテムなど。

1999年頃から2005年頃までが

全盛期だったかもしれない。

それが一転したのは、ある事件が起きてから。



2005年6月、

ANAは自社のCM撮影のために

モデルに貸し出したCAとGHの新制服を

大量紛失という事件が発生。

このCM撮影は深夜の

羽田第2ターミナルで行われた。

モデルプロダクションから

約200人のモデルが集まり、

CAやGHに扮して、

みんなでご挨拶というシーンを収録。



撮影は無事終了したものの、

いざ制服を回収すると

ありゃ!ぜんぜん数が足りないじゃん!



CAfun管理人が自分の勤める会社の

仕事関係であるイベントに行った時の話。

イベントコンパニオンたちと知り合いになり、

ではみんなで一緒に帰りましょう、となった。

イベントが終わり、

お姉さん達を待っていたのだが

いつまで過ぎても来ない。

遠く会場の端を見るとコンパニオンの

長蛇の列が出来ていた。



何だこれ?と思い、

行列の理由をお姉さん達に聞くと

イベントの制服を貸し出す時に署名し、

返却する時も確認作業をするので

制服を返すのに時間がかかるとのこと。

そのイベントの制服は

徹底した管理がされていた。



この事件の場合、

CM製作会社の現場スタッフが

きちんと管理をしていれば、

盗難事件は起きなかっただろう。



制服を誰に渡したか、

チェックもしなければ、

ホイホイ持って帰ってしまうはあたりまえ。

制服を記念に持って帰り、

CAごっこか、ヤフオクで売るか、

もらえるものは とりあえずもらっておく、

というのは普通の感覚。



ANA新制服盗難事件。

果たして犯人は?

結局、大きなニュースとなった為か、

制服は匿名で数着が送り返されて来たらしい。

しかし数着は行方不明のまま、

事件から約1か月後に盗難届を出したANA。

営業推進本部の責任者が

厳重注意を受けたとの事。

肝腎のみんなで頑張って撮ったANAのCMは

お蔵入り・・・






ANA制服盗難事件の記事



JALでも制服にまつわる事件があった。

成田のオペレーションセンター内で

CAの制服が盗まれるという事件が

2004年から2005年3月にかけて4件発生。



狙われたのは長期休暇を

取っていたCAのロッカー。

犯人は女子更衣室に出入りが可能で

客室乗務員のスケジュールを知り得る者・・・

誰がどう考えても、CAの犯行である。



JALはすぐに警察に盗難届を出すととも

制服がオークションに出る事を予測して先回り。

Yahooオークションを監視するという、

荒技に打って出た。



そして2005年6月、

監視の網にかかったのは

CAの制服盗難の犯人とは全く違う、

サクララウンジのお姉さん。



JALの関連会社であるJALビジネスから

派遣され、羽田のラウンジで勤務。

退職後は"他のみんなと同様"に

制服はお持ち帰り。

その後、"みんなもやっているように"、

制服をオークションに出品。

監視していたJALはこれを入札。

JALビジネス元派遣社員と把握し、

横領罪で告訴、

25才の元サクララウンジのお姉さんが

逮捕された・・・



オークションの落札額は

25万円と報道されているが

サクララウンジのお姉さんの分は54000円

残りの約20万円分を出品した犯人を

JALは把握するも告訴はしていない。

これらの出品は日本航空本体の

現役社員であった為に

内密に社内で処分したとの噂も。



ANA、JALの盗難事件。

以降はオークションに出品される、

制服の数は激減し、

現行制服に至っては、出品が全く無くなった。










CAに支給される制服は貸与品。

原則としては退職時返却、

不要になった制服は返却せねばならない。

しかし当時は、JALでもANAでも

制服については自己管理を

原則としてきた。



退職時や古くなった制服は

建前上は要返却ではあるが、

実際はすべてCA任せだった。



あるCAに、この事を聞くと、

古くなり着なくなった制服は

自宅でハサミで切ってゴミと一緒に

捨てていたそうだ

この方法はポピュラーらしく

他のCAもそうしていたという。

制服マニアやオークション通から見れば、

もったいない話である。










建前としては要返却だった制服。

実際はCA任せで、不要になった制服は

捨てようが何しようが会社としては放置していた。

しかしながら、マスコミが騒ぎたて

事件となると放置もしていられない。



ANAは9代目ストライプ制服に改訂の

タイミングでICチップを制服に

埋め込んだという噂があった。

この時、2ちゃんねるやCA板の裏クルーネットでは、

ANA制服にチップが入っているか否か、

大論争になったことがある。



そんなコストがかかることをするわけがない。

いや、入っていると聞いた。

何だと証拠を見せろ!証拠を!このデブ!

うるさいハゲ!そっちこそ証拠出せ!



というような2ちゃんねるらしい、

和気あいあいな言い争いを

当時目撃したことがある。



結論としては、誰に支給した制服なのか

わかるようになっているICタグが

ジャケットのブランドタグの裏側に

縫い込まれていた。



現在の制服はバーコードによる管理。

ANAは昔から高島屋がCAの制服を

製造しているが現行の10代目制服は

ブランドタグも名前と班を記入するタグもなく、

バーコードと洗濯タグが付いているだけ。

コスト削減が徹底されている印象。







ANA9代目制服、ブランドタグの内側にICチップが入っている。



活気を失ったオークションだが、

それでも制服の出品は続いている。

CAマニアで制服に興味があるような人は

すでに制服を持っている。

これらの人が手放す際にオークションに

出品するというケースが多いと推測。



昔のように現役CAが不要な制服を

売るというケースはないだろう。

これは現在、新人の訓練の際に、

制服は売るなとストレートに教え込まれて

いるため。苦労して手に入れたCAの職。

制服売ってクビになったらたまらない。



元CAがむかしの制服を売るというパターンは

今でもよく見かける。

20年も30年も前の制服が新品で保管、

などという出品は元CAか、

または新品状態保管マニアに違いない。



過去の落札価格を詳しく知りたい方は

ヤフオクの分析サイトがあったりするので

有料ではあるが、そちらを見ることをお勧め。

制服に詳しい有志からも助言を受けつつ、

CAfunが分析した制服の相場は以下の通り。





2023年の価格相場

・ANA7代目アシダジュン 制服セット 約8万~12万円

・ANA8代目アシダジュンストライプ 制服セット 約15万~25万円

・ANA9代目タヤマアツロウストライプ 制服 ブラウスの出品はあったがセットの出品なし。
もしセットで出れば 約30万~50万円

・ANA10代目現行制服 ベルト、ブラウスの出品はあったがセットの出品なし。
もしセットで出れば 約60万~80万円







ANA歴代制服




・JAL5代目ミニスカ ワンピース単品で約3万~5万円

・JAL6代目SS物語 制服セット 約8万~15万円

・JAL7代目ミリタリー調 制服セット 約8万~15万円

・JAL8代目イナバヨシエ 制服セット 約15万~20万円

・JAL9代目イナバヨシエ 制服セット 約15万~20万円

・JAL10代目制服 ワンピースなどの出品はあるがセットの出品なし。
もしセットで出れば 約40万~50万円

・JAL11代目現行制服 過去出品なし。セットで出れば 約60万~100万







JAL歴代制服




その他のエアライン、

いつも乗っていて、

いつも見ているCAの制服なら

興味が湧く。しかし、乗ったことがなく、

実物を見たこともないエアラインの

制服に興味は持たない。



中華航空、中国東方航空など中国のエアライン、

キャセイ、大韓、アシアナ、シンガポール、エバー・・・

アジアのエアラインは、1万円から5万円程度。



CAマニアはJAL、ANAに興味を持ち、

JASによく乗っていた人はJASにも興味を持つ、

JASはどの時代も5万円から8万円、

日本アジア航空は8万円、南西航空は8万円。



基本的に外資とLCCに興味なく、

LCCの制服も売れない。

スカイマーク、ソラシド、スターフライヤー、

エアドゥ、ピーチ、ジップ、

現行制服が出たのを見たことがないが、

おそらく3万円からよくても8万円くらいだろう。



欧米の外資エアラインは人気なく価値ゼロ。

中東のエミレーツ、カタールあたりも、

乗る機会がない=CAを見る機会がない=興味ない、

という図式に変わりない。



JAL、ANAのベルト、スカーフなどは

それらの制服セットを持っている人が

さらに買い足したいというケースが

あると思われ、制帽やスカーフ、

ブラウス、ベルトなどの単品は

どの時代も価格の幅が大きい。

1万円から4万円。



グランドホステス、地上スタッフの制服は

JAL、ANA、1万円から3万円くらい。

現行制服であれば価値は高いが、

CAの制服と比較すればやはり低価格。






JAL6代目スチュワーデス物語時代の制服




売るほう買うほう、

それぞれにテクニックがあったりするが、

CAfun管理人の個人的意見として、

相場が20万円の制服があったとする。

これをいきなり20万円で出品しても

入札される確率は低い。



買うほうの心理としては、

安く出ているから買おう、

というのが第一義。

そんな入札者が複数登場して、

競り合って価格が上がっていく。



オークションはゲームでもあり、

金銭がかかっているので、

ギャンブル的な要素も持っている。

買うほうも売るほうも、

楽しくもありドキドキだろう。

そんなゲームの舞台だからこそ、

とんでもなく高値がつくこともある。



競り合って20万円になったら購入するが、

競争が皆無の状態で20万円をいきなり

払うことは大きな抵抗感があり入札しない。

オークションならではの心理かもしれない。



出品するならば20万円の相場の制服であっても

CAfun管理人なら1万円とか5万円で出品する。

低価格スタートなら、入札者が増え、

注目され、競争がさらに激しくなる。











決して1万円で出品したからといって、

相場を大きく外れて、3万円などで

落札されるなどというケースは

見たことがない。



ここまでヤフオクの話。

メルカリやラクマの場合は少し違う。

入札者、競争者が少ないために

相場を大きく外れて、

安値で落札されるケースがある。



競り合いが少ないので高値にならない。

制服を出品するなら、

メルカリやラクマは

避けたほうがいいかもしれない。



CAfun管理人が好きな田宮二郎の「白い滑走路」

DVDは絶版になっているため、

DVDボックスは5万円から6万円が相場。

欲しいが高くて買えない。

しかしながら、

たまに5000円などで落札されていたりする。

購入者にとってはメルカリやラクマで

掘り出し物を見つけるのも良いかもしれない。



チャットGPTなどAIが登場している昨今。

今後、オークションはどう変化していくのか。

引き続き、観察していきたい。













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2023.5.5