CAと知り合うには

〜緊急脱出〜









ANAの787に乗る機会が数回あり、

気づいたことがあった。

なんと最後尾担当のCAが

一人しかいない。

緊急脱出の際を考慮して、

以前はドアごとに必ず一人ずつ、

CAを配置することが決められていた。



数年前に航空法が改正になり、

CAの人数を減らしても構わないことに

なったようだ。

ANA787の最後尾のCAは、

L4ドアとR4ドア、両方のドアを

ひとりでアームド、ディスアームドに

切り替えていた。






黄丸がジャンプシート、しかし最後尾にはCAひとりだけ。



機体最後尾は「孤立空間」

他の乗客の目を気にすることなく、

会話ができるのだが、

CAに声をかけようとしても

CAがひとりしかいないのはイタい。

先日も降機時に話しかけようとしたら、

反対側ドア近くの座席のおばあさんと

CAが会話を始めてしまい、

CAfun管理人のドア側にCAはおらず、

やることがないので、ひとり寂しく、

最後部のギャレーを見つめていた。



数時間のフライトの後、

せっかく楽しみにして、

声かけの時を迎えたのに、

相手がいないというのは、

幼稚園児が誕生日を指折り数え、

楽しみに待っていたのに、

いざ当日になってみたら

ケーキとプレゼントがなかった。。

と同程度の悲しい話である。



CAfun的にはあまりの悲しさゆえに

ドアごとにCAがいないのは

CAの仕事の増加と安全運航の面から

非常に問題であり、

「ママー!」 「うえーん!」と号泣状態で

抗議したい。



しかし、逆に考えれば、

反対側ドアのCAの目を

気にする心配もないので

堂々と連絡先がもらうことが

できるかもしれない。






ANA787最後尾席から見たCAのジャンプシート



少々話題が古くはなるが、2016年2月に、

雪の千歳空港でJAL機が緊急脱出を行なった。

当時、最後尾でCAとの世間話の際には、

この話題が出ることがあった。



乗客の撮影した映像がTVで流れていたが、

脱出時の機内、荷物棚は開いていて、

多くの乗客が手荷物を持ち出していた。

キャリーバッグやおみやげの手さげ袋を

持っている乗客が多くいた。

死ぬかもしれないという状況で

「白い恋人」を死守・・・。










ほとんどの乗客が手荷物を持っていることから、

緊急脱出を乗客に知らせる過程で

問題があったと思われる。

そこまで緊迫していなかったのか、

緊急脱出という認識がなかったのか。



CAの緊急脱出訓練の際には、

乗客に荷物は持たないようアナウンス。

手荷物を持って降りようとする乗客に対しては、

「殴ってでも荷物を奪い取れ」

くらいの勢いで訓練をしているはず。



おそらくこの便のCAたちは全員呼び出されて、

全裸にスカーフだけの姿で縛られて、

ムチで打たれたと思う。






2016年5月、大韓航空は羽田空港で緊急脱出。脱出する大韓航空CA



緊急脱出で思い出したのが、

堀ちえみのスチュワーデス物語のシーン。

緊急脱出の際、

堀ちえみ演ずる松本千秋が

荷物を持ち出そうとした乗客の

荷物を奪い取って放り投げ、

「荷物と命と、どっちが大事なんですか!」

と叫んで、乗客を平手打ち。



それを見た教官は

松本、よくやった! とほめる。

乗客をブン殴って褒められるという、

まさかの展開。

それほど緊急を要するのが

緊急脱出なのである(笑)










スライドを滑り降りる際、スピードがつき、

着地した瞬間にコケたり、

骨を折ったりするケースは多い。

着地点は固いアスファルトの上。

晴天の昼間であれば良いが、

夜間で視界が悪かったり、

雨や雪ともなれば滑り台が濡れて急加速、

アスファルトに着地と同時に急ブレーキがかかり、

転倒して大ケガをする。



ANAは1990年代に羽田空港で雪の夜、

B747-400で緊急脱出をしたことがあった。

脱出シュートで滑って転んで

ケガ人100人近く、と記憶している。



そこで重要なのが

「緊急脱出の際の援助」である。

下で誰かが受け止めてくれれば、

転ぶことは少なく、

例え転んでも着地の瞬間に

手を差し伸べてくれれば

転ぶ衝撃も少なくて済む。

CAは機内で脱出させる立場なので、

脱出シュートの下での手助けは、

お見合い席の乗客の役目である。



2013年1月、

高松空港でのANA787の緊急脱出。

脱出シュートを滑るCA。

下には援助者が誰もいない。

みんなさっさと逃げてしまっている。無情だ・・・










それでは緊急脱出の援助の

手順を説明。脱出シュートの下で

次々に降りてくる乗客に

手を添えてコケないよう手助けする。

脱出シュートからすぐに離れてもらわないと

ダンゴ状態になるので、機体から離れ、

避難場所へ走るよう、声をかける。

さぁ、乗客全員が脱出、

最後にCAが滑って降りて来る。

美人CAをガッチリと着地点で

受け止めよう!



美人CAがねんざしてしまった時は

肩を貸し、二人で走る。

振り向けば機体は爆発炎上、

間一髪だった!

真っ赤な炎が二人の顔を照らし出す。

そこでひと言、「助かりましたね。

お祝いに今度お食事でもいかがですか」

うーん、運命的かつ劇的、この状況で

ノーと言うCAなどこの世に存在しないだろう。



緊急脱出に遭遇するケースは

宝くじ級と思われるが、備えあれば憂いなし・・か!?







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2018.2.21

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