スチュワーデスの寮生活2
〜寮の現在〜
古き良き時代の寮はまさに「女の園」「スッチーの園」であり
皆様方が想像するスチュワーデスの寮のイメージそのものであった
では現在の寮はどうであろうか?
新しいタイプの寮はワンルーム、各部屋にバストイレが付いている
オシャレなカフェテリア風の食堂が1階にある。大浴場は無い
外観は普通のマンション、内部も食堂があることとエントランスが広いことを除けば
なんらワンルームマンションと変わりがない
ここで某社の新しいタイプの寮内部の画像を発見したのでリンク
このようなワンルームマンションタイプの寮を建てるには理由がある
各部屋にバストイレを付け、一般のマンション並みに変更したのは
けっして社員への待遇を改善するのが目的ではない
将来、寮の建物をマンションとして叩き売ることを前提としているからだ
各部屋にバストイレがなく共同トイレ、共同浴場という古いタイプの寮を建てても
売却する際には寮として使用するか、取り壊すしかなく売却先が制約されてしまう
航空会社所有の土地建物は財政的に苦しくなった際に売り飛ばして、
少しでも赤字を埋める手段とする
また最近では自社で寮を建てずに子会社や別の会社の建物を借り受けるというのも
経費削減の一環であろう
成田からひと駅手前にあるJALの公津の杜(こうづのもり)寮、
駅から徒歩3分という便利な場所であるにもかかわらず
建設当初は周囲に家やマンションも少なく、
夜になると虫やカエルの鳴き声が聞こえるヘンピな場所・・・という寮の立地の典型
今では駅前にスーパーも出来たが今後は街は更に発展していくと思われる
土地建物の価格が将来的に高くなるのは容易に想像がつく
普通のマンションであるから古き良き時代の寮生活とは違い、
プライバシーが尊重され、住んでいる者同士の交流も少なくなった
大浴場、共用のキッチン、呼び出しの電話・・・それらはすべて過去のモノ。
もうそこには「スチュワーデスの寮生活」という秘密めいた世界は無い
そして衝撃的事実、なんと!
現在の寮にはスチュワーデスは ほとんど入居していない!
住んでいるのは地上の職員や子会社の社員などが主流
ANAの場合、寮への入居を希望しても寮不足から空室待ちとなっており、
CAが寮に入居できるのは入社してから1、2年後である
一度ひとり暮らしを始めたCAが、寮に空きが出たからといって
わざわざ一人暮らしをやめて寮に引っ越すだろうか?
よほどのビンボーでない限りは一人暮らしから寮へと逆戻りする者はいない
そのような事情もあって近年は寮住まいのCAは絶滅寸前。
JALに至っては客室乗務員の募集要項の福利厚生欄から「寮あり」
という文言が消されてしまったくらいだ
昔は寮暮らしのスッチーが10人中4、5人は確実にいたと思われる
ヘタをすれば過半数以上いたかもしれない
合コンの際、スッチーの連絡先を聞くと「あらら、寮だよ、連絡取りにくいなー」
という経験をされた方も多いのではないだろうか
しかし今はそんな事は皆無、寮住まいのCAは少ない
では寮生活をしていない ひとり暮らしのスッチーはどこに住んでいるのだろう
1994年以前の入社の高待遇スッチー、
せっかく東京に出て来たのだからオシャレな街に住みたい
ということで、二子玉川、自由が丘、祐天寺、中目黒など
ファッション誌で取り上げられるような街にスッチーが多く住んでいた
また不思議なことに寮生活をしたCAはその寮の沿線に住んでいるケースも多かった
羽田から1時間の全日空反町寮、ひとり暮らしを始めたマンションは隣の駅の東白楽
せっかくひとり暮らしをするのだから、もっと違うところに住めばいいと思うのだが、
友人が大勢いる寮からあまり離れたくないのか、それとも見知らぬ場所が不安なのか・・・
94年の契約制導入以降はビンボースッチーが増え、
街はダサくても空港に近い地域に住むというのが現実のようである
羽田周辺の街は昔ながらの下町風景でお世辞にもオシャレとは言えないが
それでも羽田に近い駅に住んでいるCAは多いようだ
極端な例をあげると同じマンションに各社のCAが
偶然にも10人以上住んでいるというケースもあったりする
一人のCAが住んでいると同期に同じマンションを紹介したりするのだろう
横の繋がりが強いCAの世界特有の現象かもしれない
結論。
古いタイプの寮は今でも僅かながら残っている
しかし入居しているスッチーは ほんの僅かだけ
新しいタイプの寮は普通のマンションと何ら変わりはないので
女子だけではなく男性社員も入居していたりもする
"スッチーの寮"というのはもうこの世には存在せず、過去の遺物となってしまった
まあ、建築物に恋をする訳でもないので 別にいいんじゃないでしょうか・・・
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2007.7.16