スチュワーデス その歴史と制服
男性にとっても女性にとってもスチュワーデスの制服というのは
最も興味のあるところだと思う
スチュワーデスになりたい!と思う無垢な女の子たちと
スチュワーデスとヤリたい!と思いムクムク状態の男の共通点。
それはスッチーの制服に憧れていることである
もし付き合ったら制服のままでお願いしたい、と考えるのがマニアとしては普通だろう
しかし不思議なことに、デルタ、アメリカン、ユナイテッドなどの制服に人気は無い
エールフランスの制服を見てスチュワーデスになりたいと思いました、
どうしてもアリタリアの制服でヤッてみたいのだが、という人間は皆無に近い。
なぜ皆が日本航空や全日空の制服に憧れるのだろうか
なぜか?日本の航空会社はデザインが魅力的だから?
自国の身近なエアラインだから? いずれも不正解である
実はここに長年の刷り込みが隠されている
「スチュワーデスは高嶺の花?」で解説したアメリカのスッチーの歴史とまったく同じである
我々は洗脳されていると言っても過言ではない。理由はこうだ
昭和29年エコノミークラスが導入され、海外旅行は徐々に普及していった
しかし運賃はベラボーに高く、昭和30年代後半、サンフランシスコまでの運賃を
現在に換算すると往復約150万円。
飛行機は高級な乗り物というイメージはこの時期に出来上がった
当時、空港に見送りに行くだけでもみんなおしゃれをしたそうだ
そして、高価な乗り物、つまり上流階級的な空間にいたのがスチュワーデスだった
更に日本人のサービス業への理解の薄さもイメージに拍車をかけた
本来ならばウエイトレスと見下げられるはずが、海外へ常に行っている、
英語が喋れてスゴイというイメージが先行してしまった。これは島国独自の感覚。
紀比呂子のアテンションプリーズ、田宮二郎の白い滑走路などのTVドラマや
マスコミ、航空会社、広告代理店のイメージ戦略もあって
スチュワーデスは高級な職業というイメージが完全に定着した
余談ではあるが日本人はサービスされるのに慣れていない。今でも外国のエアラインの
スッチーから「日本人はサンキューの一言も言えない」と笑われているくらいだ
また日本人スッチーの話では「ネエちゃん、コーヒー!」と日本茶をサーブしている時に叫ばれ、
おいおい今、日本茶配ってんだよ、見りゃわかんだろが、このクソじじいが。
と思いつつも「かしこまりました、少々お待ちください」なんていうことは日常茶飯事
日本人はサービスに対する適度な距離を図れない
これはアジア諸国に多い傾向のようだ。民族性の問題と思われる
さてその「高級な職業、スチュワーデスさん」を如実に示すシンボルが制服であった
当時ナショナルフラッグキャリアだった日本航空のコーポレートカラーは紺に赤。
CV880、DC-8、そして就航したての747も紺のラインに赤の鶴丸印。
そしてスチュワーデスの制服も紺ベースに赤をあしらったものだった
制服が改訂されデザインが変わってもこの色使いは長年同じ。
スカイマークの黄色の制服も良いが、やはりJALやANAの紺の制服がいいと思う諸氏は多いはず
現行のJALの制服に何か不足を感じる諸氏、それは赤が欠けているからである
作者は誰か忘れたが「制服論」という本に80年代のニュートラの色使い、紺と赤は
スチュワーデスの高級イメージに通づる、というようなことが書いてあった
スチュワーデスの制服 = 紺と赤 誰もが無意識にそう思っている
約30年に渡り作られたイメージは容易に代えられるものではない
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