スチュワーデス研究


映像メディア分析・パート2

テレビドラマ / 1980年代後半 - 現在

ドキュメンタリー系番組







一連のドラマのヒットもあってTBSと日本航空の関係はより強くなる

80年代後半から90年代、本多重信氏デザインの制服時代には

以下のドラマが製作されている


1987年「新人類スチュワーデス二人旅」主演 中井貴恵

1989年「なまいきスチュワーデス物語」主演 山口美江

1990年「トップスチュワーデス物語」主演 山田邦子

1994年「スチュワーデスの恋人」主演 戸田菜穂






本多重信氏デザインのミリタリー調・チューリップスカート




トップスチュワーデス物語は山田邦子が新人教育担当のCAとなり

田中美奈子、有森也実、とよた真帆のダメスッチー3人を

育てて行くというストーリー

前出のスチュワーデス物語と同じく、

ロケ場所は実際のJALの施設が多かった

中でもスチュワーデスの寮にある大浴場で

山田邦子たちが入浴しながら世間話をするシーンは必見

寮の風呂など、なかなか見られないものである・・・

撮影は日航加良部東寮の風呂であった


またスチュワーデス役で田中美奈子が登場しているのだが

ある日のフライト、騒ぐ子供の団体をあやす為に

田中美奈子CAが制服のスカートをミニにして

通路でダンスを披露というシーンがある

よくJAL側からクレームがつかなかったものと感心する






セクシーダンスを披露



制服をミニスカに。




JALと比較しANAが舞台になったドラマは少ない

75年のTBS「虹のエアポート」(主演 桜木健一)で浅芽陽子がCA役で、

ドラマの題名は忘れてしまったがANAアシダジュンの旧制服時代に

宮崎ますみがスッチー役のドラマもあった

後者はフジテレビで放送されていたと記憶する

しかしどちらも短い放送回数で終了している


ANAを舞台としたドラマではスチュワーデスが主役というのは皆無

2002年の「GOOD LUCK!」も同様である

SMAPがANAのCMに出演していた関係でキムタク主演の話が

スムーズに運び、キムタクドラマとしては高視聴率で大成功

しかしCAを観察する視点から「GOOD LUCK!」を観ると

リァリティに欠ける部分が多く、あまり出来の良いドラマとは思えない・・・




ANA・CAが主役のドラマは過去になし




ANA・CAが登場するドラマでは江口洋介主演の「僕らに愛を」は変わり種

ホームドラマ&人情ドラマの類いであるが

江口洋介が恋心を抱くANAのスチュワーデスを鈴木杏樹が演じていた

このドラマの名シーンといえば、

飛行機嫌いの江口洋介扮するサラリーマンが初めて飛行機に乗った際、

離陸寸前で恐怖のあまり「止めてくださーい! お願いしますぅー!」と叫び

鈴木杏樹CAに抱きつくシーンであろう




鈴木杏樹CAに抱きつくサラリーマン(江口洋介)




90年代から2000年代の新しいドラマでは「GOODLUCK!」の他に

毎年正月に放送される「スチュワーデス刑事」がある

JALが舞台ではあるが制作はフジテレビである

主役の財前直見が「一年に一度のお祭りです。ファミリーのようです」

とドラマの紹介のコメントで言っている通り、今年でシリーズ8作目。

あまりにみんなの息がピッタリ合いすぎて

担当プロデューサーと財前直見が結婚してしまったくらいだ・・・

ドラマの中身はというと、毎年海外ロケでJALの就航都市を紹介、

航空会社にとっては良い宣伝になっているようだが

そもそもが推理ドラマで主役がスチュワーデスというのに無理がある

ここまで続いたのが不思議なほどで完全にマンネリ気味・・・


過去に制作されたドラマの中で現実性や実際のCAの姿に

近いものを見せているのは「スチュワーデス物語」などの JAL + TBSのドラマ

航空会社の担当者とテレビ局の担当者との関係が密接だという点が

秀作を生み出す要因の一つと思われる。真のスチュワーデスファンとしては

航空会社を舞台にCAの人間関係や実態をおもしろおかしく描くような

リアルなドラマを見てみたいものだ







ドラマ以外で数年に一度くらいの割合で放送されているのが

スチュワーデスを主役にしたドキュメンタリー

訓練生が一人前のCAになるまでを描くというのが番組の典型的なパターンである

初出社で緊張し、ビューティーレッスンで化粧や歩き方を練習、

チグハグな歩き方で他の訓練生の失笑を買う者が必ずいる

リカーレッスンでは ほろ酔い気分。

訓練なかばで制服が支給され、憧れだった制服を着れてみんな大喜び


楽しく訓練が続くと思いきや、

緊急脱出の訓練では鬼教官の罵声が飛び、

自分の仕事の出来なさに泣き出す訓練生が出る始末

そんなこんなで厳しい訓練が終わり、合格発表、

社名入りのネームプレートが一人ずつ手渡され、訓練生は涙々・・・

この手のドキュメンタリーは水戸黄門かと思うくらいの

完全なワンパターンである

パターンが決まっているが故に放送は3年に一度くらいの頻度であろう






訓練の様子




最近では経済番組の中の10分程度の企画モノで

同じパターンの放送もよく見かけるようになった

こちらはテレビ東京やBSニュースなどで

新興の航空会社を扱ったものが多いようだ


これらのドキュメンタリー分野でもTBSとJALの結びつきは強い

異色のところでは数年前に「スチュワーデスが紹介するハワイの観光スポット」

というような番組があり、現役CAたちの水着シーンも。

ここまで可能なのもTBS+JALならではと言えるだろう





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2004.1