スチュワーデス研究

スッチー本 分析





当サイトの読者ならスチュワーデスに関する本を一度は読んだ事があるはずだ

書店にはありとあらゆるスチュワーデス関連の本が並んでいる

しかし手に取ったその本の情報は真実なのであろうか?

果たしてスッチーと知り合うのに役立つのだろうか?

今回はそれらの本を「スチュワーデスファン」の視点から評価、

情報を有効活用する手助けになれば幸いである



まずスチュワーデス関連本を次の4種類に分けてみた


ルポ系、小説(フィクション)、小説(ノンフィクション)、漫画系。


「スチュワーデスになるには」など就職本の系統はあまり関係がないと思うので

対象からは外してある。当サイトならではの分析は以下の通りだ





1群 - ルポ系のスチュワーデス本


この種類のものが出版数が最も多い。しかし どれを読んでも中身が一緒

訓練の様子から勤務形態、フライトのだいたいのスケジュールの紹介、

機内での出来事をおもしろおかしく語る。ヤクザや子供や団体客の話、

合コン、ステイ先での食事、女の職場でどうのこうの・・・

そして共通するのはどれも「キレイごと」しか書いていない

知りたいのはCAの本音・実態であって、

マスコミが伝える神格化されたスッチーの姿ではないのだ

まぁこの手の本は一冊読めば充分、どの本も中身は変わらない

図書館で借りるのがベストである





2群 - 小説・ノンフィクション


このジャンルの出版数は少ない

ルポは書けるが小説ともなると やはりCAには難しいのかもしれない!?

西舘恵子(JAL・CA)著 国際線スチュワーデス物語 はイケる

CA研究にも書いたような彼女たちの「勘違い」によって

婚期を逃す様子が書かれていて興味深い。現実的にもよくある話であろう





3群 - 小説・フィクション


フィクションで代表的なものはやはり「スチュワーデス物語」だろう

作者の深田祐介氏は元JALの職員、実際に航空会社で働いている人が書く小説は

小説家のものとはひと味違う

余談だがTBS・大映テレビ制作の「スチュワーデス物語」は別物と考えていい

当時のドラマは26話くらいが普通。原作だけではあそこまでは引っ張れない

掘ちえみ・風間杜夫を期待して原作を読むとガッカリする

これは同氏の「トップスチュワーデス物語」も同様である

書かれた年代、ご自身が勤務していた年代が古いこともあって

色あせた感は拭えないというところであろうか



スチュワーデス本とは関係ないのだが航空小説では

内田モトキ氏(元ANAパイロット)の2作品「パイロットインコマンド」、

機体消失 はお勧めだ。

恐らく日系エアラインパイロットで小説が書けるのは現在この人だけだろう

機長のなんとか、系のルポ本は前出のスッチールポ系と同じ、

どれも同じで一冊読んだらご馳走さま、という感じである

ちなみに内田氏の作品では僅かな描写ではあるが

スッチーがヤラれてしまったりもする・・・



この一群で駄作と言えば「スチュワーデスは摩天楼がお好き」のシリーズがある

これははっきり言って、お子様向けの推理小説でスチュワーデス刑事みたいなもの、

設定にも無理がある





4群 - 漫画系


「伝説のスッチー」がこの群では最新刊であろう

同名のホームページの漫画も凝っていておもしろい

これも他の群の本と同じく作者の勤務していた年代が古い為、

ネタが古いのがたまにきず、である

変わったところでは男性スチュワードを主人公にした ショッキングピンクスカイ

こちらは航空ものというより少女漫画の系統・・・





当サイトが分析によるお勧めの書籍はズバリ以下の通りである


まず1群からは茶柱龍之介著 制服の中身

スッチーの生息域や結婚式の寿アナウンスなども解説、

綺麗ごとを並べず現実が書かれている事を評価したい

著者は明らかに航空関係者、またはCAに近い人物と思われる

残念なのは書かれたのは数年前という事。情報が少し古くなってしまった



2群からは近川栄利(元ANA・CA)著「終わりのないフライト - 愛と挫折の人生飛行」

泣ける・・・

自分の生活を通し、CAの無意味さ!?や人生をたんたんと語り、

悟りの境地に達したりしている・・・現役CAに是非読んでほしい名著だ

実はこの本を発刊当時に購入した。CAの友人に貸したところ大好評、

皆で回し読みされ、とうとう私の手元には帰って来なかった。よって画像はなし・・・

この本は航空関係者や当サイトの読者などへの内輪向けの小説と言っても過言ではない

CAの厳しい現実が実によく描かれている傑作だ



3群からは惣領隆著 彼女のつばさ

田舎の娘がスチュワーデスに憧れ上京、CAになるまでを描く。

スチュワーデス物語に似ているがこの小説では訓練やCAの業務が

かなり詳しく書かれており、主人公に感情移入しやすい面も手伝って、

CAを理解するには大変役立つ。内容も もちろんおもしろい

しかしこの小説、第3巻で終わってしまい廃刊、以降の発刊がない

主人公はOJTで飛び立ったところで終わってしまっている・・・



4群からは かの有名な野小和代(元JAL・CA)著 笑うスチュワーデス

裏話とイラストの愉快さで笑えるスッチー本の元祖であろう



これらの本はネットの書店・古本屋やネットオークションで調べれば、

だいたいは購入可能だと思う

また東京では羽田空港第1ターミナル・京浜急行乗り場エスカレーター手前、

航空図書の店、ブックスフジに紹介した一部の本は置いてあるはずだ





トップ


当サイトの掲載文章を許諾なく複製・転載・使用することを禁止します

2002.5